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ホームニュース抗菌薬とビタミンK「NMTT基、MTDT基」

2021.01.04 レクチャー

抗菌薬とビタミンK「NMTT基、MTDT基」

抗菌薬使用中に凝固異常を呈したとき

まずはDICの否定を

抗菌薬誘発凝固障害を話すのですが、当たり前とは言いつつも、DICを含めた他の原因による凝固障害は必ず除外しておきましょう。病態診断となりますが、診断基準の目安で言えば、日本だと「日本血栓止血学会DIC診断基準 2017年版」などが用いられています。

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(日本血栓止血学会DIC診断基準 2017年版より引用)

抗菌薬による凝固障害その1「肝臓におけるビタミンK代謝障害」

ビタミンK代謝サイクルを抗菌薬が阻害することによるもの。抗菌薬の中でも、NMTT基、MTDT基など特定の側鎖を持つものでみられる。

・N-メチルチオテトラゾール(NMTT)側鎖
:セフメタゾールなど

・メチルチアジアゾールチオール(MTDT)側鎖
:セファゾリンに代表されるセファロスポリンなど

特に非経口栄養摂取患者でリスクが高いとされる。血漿ビタミンK濃度測定が参考になる。

抗菌薬による凝固障害その2「腸内細菌叢根絶」

ビタミンK2産生腸内細菌叢が根絶されることによるビタミンK欠乏による。薬剤性血小板減少症(DITP)の原因であるとも考えられている。

こちらは広域抗菌薬の長期使用によってビタミンK2産生腸内細菌叢がいなくなってしまうことによるとされている。PIVKA-II測定が参考になる。

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