第35回SEEDTIME!
なんでこんなことになった!?
本日は和田先生からの発表でした。レスパイト入院のはずなのに、よく見るとこれって○○では・・!?まずい、隔離しないと・・!家族にも連絡を・・・!!と思い連絡すると、
「なんで!?なんでそんなことになるの!?ありえない!!」という患者家族。誰も悪くない状況を契機に、家族とのコミュニケーションに難渋した症例でした。
結局わだかまりを残したまま、退院となってしまったようですが・・。
【参加者からのコメント】
・大変な症例。おそらく最初の電話の説明の時点で関係が壊れてしまった。そのあとの経過はもう、時すでに遅し!おそらく誰が介入しても、どうにも転ばなかった。
・医療は人生の縮図である。いろいろな人がいるし、いろいろな事が起こる。医学知識、技術がもちろんであるが、医学以外のところも豊かにしておかなければならない。
という、苦い経験もいっぱいしている先生方からの、深いお言葉をいただきました・・。
ただ一方で、
・こういうときは、巻き込んでいく。訪問診療患者さんなのであれば、他院であっても、担当している訪問看護師さんを呼ぶ、担当医師に相談してみる、一緒に話し合いに入ってもらう、などなど。
こんな提案もありました。このとき和田先生はまだ医師なりたてで、すぐに上級医に相談してみたものの、なかなか翻せなかったようです。ただ少し経験を積んだ今、次に役立つスキルが見えてきたようです。実際、一緒に臨床をしている先生からは、この経験があったからか分からないが、「面と向かって話したほうが良い」という判断をできるときが増えている、という評価が出ていました。
・時間を使う、というのもポイント。夫婦喧嘩なども、時間が解決する場面がある。
と、意味深な尾びれのついたアドバイスも出るなど、なかなか面白いカンファレンスでした。
【全体コメント】
臨床を行う上で、様々な困難症例はつきものですね。患者中心の医療で1つ目の鍵となる「DiseaseとIllness」ですが、Diseaseを追求しつつも、やはりIllnessを大事にする必要があります。特に今後の日本ではかなり重要となるスキルになるでしょう。
やはりこういう困難症例、かつ、色々やってみたのにうまくいかなかった、というのが一番我々を成長させてくれると思います。
ちなみにこの症例は、なんと後に和解しています!これもまた興味深いです。良いSEAの適応症例であり、さらに我々をワンステップ進めてくれるきっかけです。貴重な経験を、苦味を噛み締めながら振り返り発表してくれた和田先生に感謝を示したいと思います!
NEXT STEP
・医療は人生の縮図である
・困難症例(DiseaseもIllnessも)に対しては、時間を使う、人を巻き込む